最近は新譜・旧譜こだわらず全時代分け隔てなく聴いてるから、「2021年ベストアルバム」みたいなことは言えないけど、まあ洋楽なら実質Squidかこれになるかなぁ。
前作の「ducter」の狂気にヤラレて新作を楽しみにしてたんですが、「John L」でまたやってくれましたね。特にPV。これは全力で大げさなことをしてやり過ぎた結果滑稽になるという種のギャグです。お洒落さの範疇からもハミ出しちゃってて、もうほんと最高です。
歌詞も心象風景の羅列というか、なにがしかの不穏な比喩のような感じで、文学的。
アルバムは、抒情性を感じさせるトラッドフォークをアクセントにはしつつも、基本的にオールディーズなビッグバンドの形式で狂騒の前衛ジャズロックショーを繰り広げるというカオスな展開。King Crimsonを引き合いに出している人を見かけましたが、確かになるほどその雰囲気はあります。
前作はピンポイントにどのジャンルを参照しているかが分かるエッジの立ったキャッチーさがありましたが、今回それをさらになんだか分からなくなるまでグッツグツに煮込んで消化したうえで、謎に旧時代の格式とゴージャスな世界観をまとった独自の音楽性を会得した感じで、個人的には、良い進化を遂げたなと思います。
もう次のアルバムを作ってるっぽいんで、この調子で我が道を行き続けてほしいですね。
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