オージーサイケの代表格King Gizzard and the Lizard Wizardの新作『Butterfly 3000』が良かったのでメモ。
このバンド、結構前から知ってたのですがあまりの多作ぶりなうえ、楽曲がオールディーズなサイケデリックロックだったりガレージサイケだったりHR/HM的なストーナー風だったりでちょいと手が出しづらい感じだったんですよね。そんな折に去年出たこのアルバムで突然(とはいえ彼らのキャリアではよくあることのようですが)音楽性がTame ImpalaやMGMTのような、シンセサイザーを多用するエレクトロなネオサイケポップに変貌してこれは良いぞ、と。陶酔感抜群の表題曲「Butterfly 3000」は、MVも90年代初めくらいのアシッドなサイケ映像でガチで効きます。良いです。
しかし、年に2~3枚の超ハイペースでリリースを続けている割にはフレッシュな楽曲のクオリティもすごいですね。どの曲もメロディアスでキャッチ―なんですが、「Butterfly 3000」と並んでチョウ類タイトルの「Blue Morpho」がお気に入りです。MVキモイし、中盤の平衡感覚失う呪術的なポリリズム展開がたまりません。
覚醒感あふれるアルバム1曲目「Yours」。リズム隊以外は完全に電子音だけで構築されていると思いきや、アウトロではアコギとハーモニカがブレンドされていて、この辺の生音のさじ加減もいい味出してます。
なおアルバムではほとんどの曲がトラックまたいで繋がっていて、1つのフレーズをモチーフのように複数の曲で流用していたりと、トータルアルバム的な芸コマなつくり込みになってます。こちらも好ポイント。
どうでもいいですが、バンド名は韻を踏んだハリーポッターのタイトルみたいになってるんですね。直訳だと「砂ぎも王とトカゲの魔術師」。なんとなく久米田康治っぽい。
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