The Marías / CINEMA(2021)

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デビュー曲「I Don’t Know You」を聴いて以来ずっと追っかけてたので楽しみにしていたThe Maríasの初のフルアルバム『CINEMA』。
リードシングルにもなっていた「Hush」では、重々しいビートに乗っかったニューウェーブ風エレクトロサウンドを展開していて驚いたが、アルバム未収録の単発シングルでいろいろ試していた方向性の発展形といった印象。ちなみにThe MaríasのMVはいつも妖艶な感じだが、この曲の衣装はいつにも増して刺激的。そしてインディーバンドらしからぬ映画俳優のようなvoマリア・drジョシュのコンビがズルイ。
一方「All I Really Want Is You」は割と今までの路線で、メロウでマッタリした、彼ららしいネオソウル・ドリーミー・インディポップで相変わらず良い。さらに「The Mice Inside This Room」は、RADIOHEADを彷彿とさせるダウナーな曲で、Exit Musicカバーしていたし、けっこうUKのオルタナも好きなのだろうか。こういうイギリス的な暗い感じの浮遊感は今まであまりなかったのだが、けっこう合ってる印象。この曲はかなり好き。

アルバム全体の感想としては、途中にインスト曲をはさんだり、曲の並びにメリハリが効いていて聴きごたえがあるし、1枚通して物悲しいオトナの恋愛映画を見ているような作りになっていて、なかなかの意欲作だと感じる。一方で今までの特徴だった浮遊感のあるネオソウル&ドリーミーな曲が減っており、全体的にメランコリアと重みが増したサウンドになっていて、初期からのファンにはそこがちょっと物足りないと感じる。個人的にも、やっぱり彼らの十八番であったスウィート・まったり・メロウ系の曲がもう少し欲しかった。(アルバム未収録シングルの「Care For You」入ってたら良かったかも)

とはいえ1曲1曲のクオリティは高く、次はどんな感じに展開していくんだろうという期待感もあるので、結果的には満足な内容だった。

評価:★★★☆ 7/10


最後に「All I Really Want Is You」のスタジオライブ動画。
ライブアレンジがめちゃくちゃカッコいいのだ。マリアさんの妖艶なパフォーマンスも良い。
来日ライブしてほしいですねぇ。

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