イギリスの音楽系YouTubeチャンネル『Deep Cuts』の2021年AOTYに入っていたので気になった作品、ドイツ・ミュンヘンのプロデューサーSkee Maskの2ndアルバム。
たまーにこういうハードなエレクトロサウンドが聴きたくなるんですよね。
この作品は過去のテクノのあらゆるジャンルを内包してる感じがイイですね。
IDM、エレクトロニカ、アシッドハウス、グリッチ、アンビエント、ダブ・テクノ、ブレイクビーツ、ドリルンベースなどなどが18曲1時間43分という大ボリュームにギュギュっとつまっておりますが、一貫してサウンドはスムースなクラブ・ミュージックの体をまとっていて、とてもクールかつ大胆、ドリーミーなのに肉体的、そしてその一音一音がとても緻密に作りこまれています。
特にサイケやシューゲがメインの私としては、やはりアンビエントがもたらす陶酔感と、そこにハードなビートが組み合わさっているところが好ポイント。どこまでも広がるシンセのうねりの中に、フロアの熱狂を感じさせるビートの肉体性やベースのグラインドがビシバシと打ち込まれる。ヘッドフォンを装着した瞬間広がる音世界の中で踊りながらトリップできる、この没入感。
Deep CutsのOliverも語ってましたが、ほんとに約2時間もの間ぶっ続けで聴いてもぜんぜんダレずに最後まで聴けちゃうんですよね。
そしてやはり、聴くなら夜がいい。
移動中に都市の夜景を見ながらでも、家で何か作業に集中しながらでも。
アートワークはフェイク芝生のフロアマットみたいですが、けっこう映像的なサウンドになっているので、目を閉じて色々な心象風景に浸りながら聴くのも良いです。
テクノ系はたまにつまみ食い程度に気になったものを聴くだけなので、そんなに深くは語れないんですけど、この作品は自分の中でもかなりお気に入りのテクノ作品となりました。
そして、デジタルリリースだと容量というのを気にせず映画ばりの長尺アルバム作れるんだな、という音楽の新たな可能性も感じさせてもくれました。ロックバンドも2枚組とかじゃなくて、デジタルでぶっ続け2時間3時間のアルバム作ってほしいですねー。
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