夏になると必ず聴きたくなるんですよね、このアルバム。
ニューヨークのマルチ奏者Patrick J. Smithのソロユニット、A Beacon Schoolのデビューアルバムです。
最近はTame ImpalaやWild Nothing等ソロでバンドサウンドやる人が増えましたが、A Beacon Schoolの『Cola』もまさにそんな系譜に連なる、サイケ~ドリームポップ~シューゲイズなどを感じさせるドリーミーなインディ・ポップ作品となってます。
煌めきを放つキャッチーなギターフレーズが印象的な名曲「Algernon」。
意識も朦朧とするような真夏の暑い日に飲む炭酸飲料の爽快さにも似た、さわやかで涼しくてほんのり甘酸っぱい味わいがたまりません。
ぼやけた音像と、シュワシュワとしたミックスの加工がVapor Waveを思わせる「It’s Late」。とっても気持ちイイ。
ちなみにこのアルバム、私が買った時は8曲入りの25分だったんですけど、知らない間に「Cut Thru」「Glue」「Fade In Nylon」の3曲が追加された11曲ヴァージョンがリリースし直されていたようで、現在はどのプラットフォームでもこちらの11曲のヴァージョンでリリースされています。今回レビューを書くにあたり、Spotifyで聴き直してみて初めて気づいた次第。
追加の3曲もボーナストラックとかアウトテイクっぽい感じじゃなくて、リヴァーブの余韻にグッとくる「Fade In Nylon」など、普通にクオリティ高いです。
特に「Glue」は歌詞に“Still tastes like Cola”というフレーズがあるんで、初めから入れる想定だったんじゃないでしょうか。謎です。
まあ8曲にしろ11曲にしろ、短い曲が多いので気軽にサクッと聴けるのが魅力なんですが、その中に、煌びやかなアルペジオ、シャキシャキと歯切れのよいジャングリーなギター、ポップなメロディとハーモニー、やわらかくドリーミーなシンセ、ところどころにアクセントとして機能するデジタルな音響処理などなど、清涼感と夢見心地感を増幅させる要素がギュッと詰まっていて、満足度はかなり高めです。
なお、今年の10月には2ndアルバムもリリースされるとのこと。先行シングルもイイ感じです。
これから暑くなるので、皆様も一杯いかがでしょうか。
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