Ride / Interplay(2024)

新譜
オリジナル世代のシューゲイズバンドの中では比較的再結成が早く活動も精力的で、今作で復帰後3作目の通算7枚目となるRideの新作。今作は全体的にRideの音楽的ルーツを振り返るような曲が並んでいるのが特徴ですが、ちょっと散漫な印象を受ける仕上がりになっています。
1曲目「Peace Sign」はRideならではのハーモニーと疾走感が出ていてワクワクさせてくれるし、ジザメリみたいな曲調の「Last Frontier」とSpacemen 3/Spiritualizedの影響が濃ゆく出ているサイケデリックな「Light in a Quiet Room」も面白い試みで、掴みは上々。しかし80’sなニューウェイブ/シンセポップ色が強くなる4曲目以降徐々に平板で個性の薄いアレンジが目立つようになり、個人的にこういう曲は好きだけど他の曲に馴染んでいない感のあるアーシーなサイケフォークの6曲目「Stay Free」に至り序盤の勢いが失速。
後半も、80’sなサウンドを取り入れた代わりにRideの良いところが薄くなってしまったような曲が続き、初期の勢いを感じさせるギターロック「Portland Rocks」で少し持ち直しますが、レトロなシンセの音色が鳴り響く中途半端にスペーシーなラスト「Yesterday Is Just a Song」でいまいち締まらずに終了してしまいます。

アーシーなトラディショナルロックに傾倒して本来の良さが消失した4th『Tarantula』と似たような構図に思いますが、一方あまり評価されていない4thも、Rideも好きでトラッドロックも大好きというリスナーには割と刺さったという評価も見るので、今作もニューウェイブやシンセポップ好きなRideファンには刺さるかもしれません。
個人的には、シューゲイズ以外の音楽性を模索した彼らの作品はあまり良い印象が無いので、素直にシューゲイズして欲しいなあと思ってしまいます。先日公開されたKEXPのライブ動画でも「Chelsea Girl」や「Taste」の良さがとりわけ光ってましたし。
リスナーが一番惹きつけられるのはRideのエネルギッシュなところなので、シンセや打ち込みリズムより、粗削りで良いのでギター、ベース、ドラム、ハーモニー、以上!みたいなシンプルなものがやっぱり聴きたいです。

評価:★★ 4/10

コメント

タイトルとURLをコピーしました