先行シングル「Jamcod」がカッコよかったので冴えた内容を期待していたが、「シングルは良いけどアルバム聴くと似たような曲・単調な曲が並んでる」という良くも悪くもいつものジザメリ作品という感想に落ち着いたアルバム。ジザメリはこのワンパターンな作曲を許せるかどうか、ジム・リードの唯一無二なカッケェヴォーカルが楽しめればそれで良いのだと思えるかがキモなので、これも含めてジザメリの良さと言えなくもない。でもやっぱりシングルでたまに見せる閃きが眩しくて、アルバム全部こうなってたら良いのになぁ、という期待を捨てきれずに消化不良を感じてしまう次第。
今作はエレクトロなシンセサウンドが混入していてそれが面白味だが、それ以外は全体的にそこまでノイジーでもなければロックンロールでもポップでもダンサブルでもない、中庸な印象。しかしながらハイライトになる曲はしっかりあって、挨拶代わりインダストリアルなノイズをカマす「Venal Joy」、心地よいサイケデリック・グルーヴにシンセの隠し味が効いている「Mediterranean X Film」、溜めてからの爆音ノイズのカタルシスが気持ちイイ「Jamcod」、サイケデリックな陶酔感が気持ち良い「Chemical Animal」、「Hey!」を「おい!」とい訳すPVがどうしても笑ってしまう(ジザメリ訳で草)ポップな「Girl 71」といった曲でしっかり楽しませてくれる。
やはりジザメリはベスト盤のように良曲をつまみ食いして聴くのが一番盛り上がるかな。幸い今はSpotify時代で、曲単位の拡散力も重要。アルバム単位の評価ばかり語ってしまうのも、音楽の楽しみを狭めてしまってよろしくないのかもしれない。
評価:★★★ 6/10
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