La Luz / News of the Universe(2024)

新譜

シアトルのサーフロックバンド、とのことだがサーフ系(ベンチャーズみたいなの?)がよく分からない私にはサイケにしか聴こえなかったのでサイケポップバンドと紹介する。
初めて聴いた時、ゆらゆら帝国のまったりした曲の雰囲気に似ていると思ったのだが、中心メンバーのシャナ・クリーブランドは日本のギタリスト寺内タケシのギタープレイに影響を受けているとのことで、このあたりがゆらゆら帝国とも共通する昭和バイブスを醸し出す所以なのかと納得した次第だ。基本的に60’sなハーモニー主体の哀愁美メロと、トロトロフニャフニャなシンセに毛羽立ったファズと深いリバーブの効いたギターが聴きどころの、ぬるま湯に浸かり続けているように心地よいスペーシー系のサイケポップである。そこにときおりペンタトニックな昭和メロディも聴こえてきたりして、謎のエキゾサイケ感も醸し出す。無国籍感のある面白い音楽性だ。
ひしゃげたファズギターが気持ち良い「Strange World」、昭和な哀愁がたまらないレトロサイケポップ「Poppies」、美ハーモニーと後半のヤッヤッというコーラスが可愛らしい「I’ll Go With You」あたりがお気に入り。一日の最後にゆったりと聴く極上のチルミュージックである。
どの曲も良い味が出ていてサクサク聴けるのだが、終盤2曲で急に侘しい感じなりしゅん…と終わってしまうので、もう少し聴きたかったなという物足りなさもやや有り。後半にもう少し盛り上がりどころがあると良かったのかもしれないが、突き抜け切らないこのユルさ具合もまた味なのかもしれない。
過去の作品も気になるので遡っていきたいバンドだ。
評価:★★★★ 8/10

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