Liam Gallagher & John Squire / Liam Gallagher John Squire(2024)

新譜

リアムとジョン・スクワイアのコラボと聴いて、「まじかよ最高だ!オアシスmeets 1stのころのストーンローゼズな音だったらいいな!」と喜びつつ、「いやでもそんなにうまい話があるかな?」と疑ってかかっていたのだが、驚くべきことに、だいたいそのイメージに近いサウンドが届けられてしまった。
普段はマニアックなインディ・ロックでうんぬんかんぬん語っているけれど、大味で庶民派な昭和の定食みたいなやつもやっぱり好きなのである。激渋なジョン・スクワイアのギターソロが哭き、リアムの天然オーバードライブ声が心地よく大空に響き渡る。シンプルなカッコ良さと、気持ち良さが突き抜けている傑作アルバムだ。

ちなみに今作はジョン・スクワイアがソングライティングを担当をしている。これが大当たりで、キャッチーなメロディに、力強いイメージが湧くシンプルな言葉をシンプルな構文でボツンボツンと、絵の具を垂らすように大胆に散らされている。それをリアムが歌うのがまた良いんだ。絶妙にパワフルでポジティブな、とてもいいバイブスに満ち満ちている。
サビの大合唱を誘う高揚感あふれる「Mars To Liverpool」、The Stone Rosesの「I Am The Resurrection」を彷彿とさせる構成の「Just Another Rainbow」(虹の色全部言うリアムがすごく可愛らしい)とシングル曲はもちろんのこと、女の子に参っちゃうのはお前だけじゃ無いぜと歌う「You’re Not The Only One」や、あらゆることに退屈だぜと言ってまわる「I’m So Bored」も痛快である。
王道のメロディとアレンジなので、昔からローゼズやオアシスを聴いてきた身からすると多少飽きやすい側面もあるが、ここはあえて、小細工なしのユニバーサル・ロックをぶち込んできたレジェンドの風格に敬意を表したい。

しかし、つくづくわからないのは、兄貴のほうもソロで絶好調のソングライティングを見せていたし、リアムもイカしたコラボ作品をリリースした、お互いライバル関係でソロ活動しているのがいいのだろう、まだまだそれぞれが面白いものを聴かせてくれそうだ、そう思っていたのが、まさかここからのOasis再結成である。リアムのノエル煽りポストが見れなくなるのは寂しいが、どうせまた喧嘩して元の状態に戻るだろうとも思っている。やるならちゃんと再結成ライブを完遂して頂きたいものだ。

評価:★★★★ 8/10


コメント

タイトルとURLをコピーしました