至福のトロピカル・サイケデリック・エクスペリメンタルポップ。ブラジルのシンガーソングライターNegro Leo、元々はフリーフォーク的というか、主に生楽器を使った実験的・前衛的な作品を出していたのだが、アルバムと同名曲にして今作未収録のシングル「Rela」にて南国情緒あふれるドリーミーなエレクトロに豹変。今作はその延長線上に結実したアルバムである。
甘美なメロディとゴージャスなサウンドが高らかに鳴り響く「Date My Age」に始まり、メロウなヴォーカルとシンセに浸っているとサンバのリズムがポリリズム的にカットインしてくる無重力感が気持ちいい「Me Ensina a Te Castigar」、イガイガしたヴォーカルのサンプリングループと破天荒なブレイクビーツが乱れ飛ぶ「Got To Please」と序盤から全力で混沌としているが、これが最後まで続く。1曲1曲は独立しているものの、曲が通常のポップソングの構成をしておらず次の曲と連関するように並んでいるため、アルバム全体で1曲として語りたくなるような作りをしている。
全体的に、甘くとろけるようなコード進行によるセクシーなR&Bをベースとしながら、サンバやブレイクビーツ、サンプリングなどの雑多な音の素材を放り込んだ上で、混沌として破壊的なデジタル編集で激しくシェイクされている。その実験的な試みの結果、ドラッギーな万華鏡エレクトロサイケデリアが現出。『Strawberry Jam』以前のAnimal Collectiveに似た刺々しさと恍惚感にも感じるが、より混沌として、より快楽的。そのうえ、南米のミュージシャンならではのエキゾチックなトロピカル感もついてきて、さながら楽園のようなムードを醸し出している。
残念なことに、この気持ちよい音空間に浸っていられるのは28分と短い。もっと聴き続けたいと思わせる、素晴らしい実験の成果である。
甘美なメロディとゴージャスなサウンドが高らかに鳴り響く「Date My Age」に始まり、メロウなヴォーカルとシンセに浸っているとサンバのリズムがポリリズム的にカットインしてくる無重力感が気持ちいい「Me Ensina a Te Castigar」、イガイガしたヴォーカルのサンプリングループと破天荒なブレイクビーツが乱れ飛ぶ「Got To Please」と序盤から全力で混沌としているが、これが最後まで続く。1曲1曲は独立しているものの、曲が通常のポップソングの構成をしておらず次の曲と連関するように並んでいるため、アルバム全体で1曲として語りたくなるような作りをしている。
全体的に、甘くとろけるようなコード進行によるセクシーなR&Bをベースとしながら、サンバやブレイクビーツ、サンプリングなどの雑多な音の素材を放り込んだ上で、混沌として破壊的なデジタル編集で激しくシェイクされている。その実験的な試みの結果、ドラッギーな万華鏡エレクトロサイケデリアが現出。『Strawberry Jam』以前のAnimal Collectiveに似た刺々しさと恍惚感にも感じるが、より混沌として、より快楽的。そのうえ、南米のミュージシャンならではのエキゾチックなトロピカル感もついてきて、さながら楽園のようなムードを醸し出している。
残念なことに、この気持ちよい音空間に浸っていられるのは28分と短い。もっと聴き続けたいと思わせる、素晴らしい実験の成果である。
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