チェックしていたアーティストが怒涛のようにシングルを発表、さらにアルバムリリースまで控えていることが発覚しまくった5月。だいたい楽しみなのはいいのだが、果たして今年すべて聴き切れるのだろうか。
Wet Legはやはり歌詞が重要なバンドである。愛か自殺か、あなたの口を私に当てて心肺蘇生法(CPR)をして、と告げる日本だとヤンデレとかメンヘラとか言われそうなぶっ飛んだラブソングであるが、これが重々しいガレージロックのサウンドに乗っかったとき、ユーモアや可愛らしさといった独特のマリアージュが生まれている。MVで車を運転しているのが、メンバーの野郎どもではなくへスターなのがちょっと面白い。
80’s〜90’sの音に忠実なアンビエント風味の耽美的シューゲイズをやっているロンドンの2人組Deary。初期はそのストレートな音楽性が逆に新しさを感じさせていたが、最近のシングルではポップさが増してきており、モダンなドリームポップとしての魅力が備わったように思う。曲の後半はたっぷりリバーブの効いたヴォーカルとピッチの揺れるトレモロアームギターが最高にシューゲしててたまらない。
今年リリースされたアルバム『No Rush』のデラックス版に入るらしい、本編に収録されなかった曲だが、実に良い曲。
なにやら次のアルバムではローテクな機材で録音するという実験をしているとのこと。VHSのエフェクトをかけたMVにしろ、ローファイとはまた違うレトロなエイジング感により、何十年も前のおぼろげな夢の記憶を取り出してくれた感じがあって良い。ノスタルジーとサイケデリアの融合。
去年に続き早くも2ndアルバムが出るとのことで、そのうえパート1とパート2に分けてリリース、という変則的な形式だそうだ。ちなみにパート1はシューゲイズな曲をまとめたらしいので楽しみ。
9/19にアルバムリリースが決まったリバプールの3人組Stealing Sheep。2022年の前作『Wow Machine』から完全にエレクトロユニットになったが、最近の曲を聞く限り次のアルバムはさらにテクノ色が強まっていそうだ。一方でサイケポップだった初期から続く持ち前の美しいコーラスも健在で、個性もしっかりと維持。期待大である。
6/20にニューアルバムリリース。最近はダンサブルなエレクトロサウンドを展開していて、この曲もLAのエクスペリメンタルシンセポップの新人Gelli Haha(同じInnovative Leisureからアルバムリリース)を招いたエレクトロファンクでカッコいい。
最近割とポップめだったから、カオティックな激ハードコア曲が来て新鮮。現代社会が孕む矛盾や狂気への怒りを全開にしているらしいニューアルバムが8/1にリリースされるとのこと。暑苦しい夏になりそうだ。
前作『Famously Alive』はVoキャシー・カールソンがオピエート依存症から回復した祝福のアルバムで、それまでの毒々しいまでのカオティックサイケポップから一転してカラフルなエレクトロポップになっていた。3年ぶりのシングルでは明るさはそのままに、音楽性は『GT Ultra』のころに戻ったような感じだ。まあ闇鍋のように混沌とした作曲を行うバンドなのでこの後どうなるかは分からないが、この曲の健全なディスコパンクポップぶりを聴いていると期待感は募る一方だ。
「私的こんな渋いオヤジになりてえランキングTop5」に入るVoジミ・グッドウィンによるオトコの哀愁が滲み出た良曲。アルバム本編に入らなかったボーナストラック的な曲だが、もったいないでしょうこれは。昔からシングルB面曲のクオリティは高かったけど、相変わらずのソングライティング力である。
9月に待望のフルアルバムがリリースされるNight Tapes。最近のシングルはトリップホップ的というかダウンテンポというか、チルなリズムループが主体のアンビエントポップにも近しいサウンドを展開している。この曲に至っては、ヒップホップグループSouls Of Mischiefの「93’til Infinity」をサンプリングしているらしく、最近のドリームポップにおける拡張性の新手として大変興味深く聴いている次第。
ロンドンのアフロジャズソウルバンド、7/11に2ndアルバムリリースとのこと。ダブ風味のたゆたうような低音ベースに静かなステップを踏むドラム、陽気なブラスの音。アフロなバイブスはしっかり息づいているが、都市生活のスムースでクールなニュアンスも同居している。この心地よさはなかなか他では得難いかもしれない。
サビ前の「Fuck」にグッとくるストレートなポップロック。最近立て続けに曲が出てるけど、アルバムが出たりするのだろうか?
最後はXG。今まで応援してくれた世界中のファンへ感謝と愛を歌った壮大なファンサ曲で、これをワールドツアー最終日にリリースするという感動の仕掛け。「Winter Without You」に続くオーソドックスなコーラスバラードなため音楽的には特筆すべきところはそんなに無いが、いちファンとしては、ワールドツアーにコーチェラ、という当初の目標が早くも達成されて、次の壮大な夢に向かうための一区切りの曲、ということで感慨深いものがある。
それにしても、昨今の「推し」と呼ばれるブームや、その対象であるアイドル、ガールズグループ的なもの一切を否定していた私が、いつのまにか「ALPHAZ」を自認するに至るとは思ってもみなかった。小栗旬の気持ちがよくわかる。
まあ、とにもかくにも音楽マニア的にはやはりフルアルバムが聴きたい。次なる展開を心待ちにしております。
Wet Leg / CPR
Wet Legはやはり歌詞が重要なバンドである。愛か自殺か、あなたの口を私に当てて心肺蘇生法(CPR)をして、と告げる日本だとヤンデレとかメンヘラとか言われそうなぶっ飛んだラブソングであるが、これが重々しいガレージロックのサウンドに乗っかったとき、ユーモアや可愛らしさといった独特のマリアージュが生まれている。MVで車を運転しているのが、メンバーの野郎どもではなくへスターなのがちょっと面白い。
Deary / I Still Think About You
80’s〜90’sの音に忠実なアンビエント風味の耽美的シューゲイズをやっているロンドンの2人組Deary。初期はそのストレートな音楽性が逆に新しさを感じさせていたが、最近のシングルではポップさが増してきており、モダンなドリームポップとしての魅力が備わったように思う。曲の後半はたっぷりリバーブの効いたヴォーカルとピッチの揺れるトレモロアームギターが最高にシューゲしててたまらない。
The Treedome / Mind You (It’s Not Hard)
去年のデビューアルバム『The Comfort in Being Sad』が個人的に大ヒットだったLAのインディポップバンドThe Treedome、他で紹介されてるのを見たことないのでちゃんと活動が続いているのか心配しちゃったりしてたけど、相変わらずまどろむような気だるさとVoガビ・エルナンデスのほんわりした歌声に癒される。素敵な新曲を届けてくれてありがとう。
Tokyo Tea Room / Da Nang
今年リリースされたアルバム『No Rush』のデラックス版に入るらしい、本編に収録されなかった曲だが、実に良い曲。
Vinyl Willams / Extra-Life, Eden
なにやら次のアルバムではローテクな機材で録音するという実験をしているとのこと。VHSのエフェクトをかけたMVにしろ、ローファイとはまた違うレトロなエイジング感により、何十年も前のおぼろげな夢の記憶を取り出してくれた感じがあって良い。ノスタルジーとサイケデリアの融合。
Yndling / Even If It’s A Lie(I Don’t Mind)
去年に続き早くも2ndアルバムが出るとのことで、そのうえパート1とパート2に分けてリリース、という変則的な形式だそうだ。ちなみにパート1はシューゲイズな曲をまとめたらしいので楽しみ。
The Mellows / Purple
ここ最近音沙汰がなく、何やら解散か活動休止かしていたようなウワサがあったようだが、とりあえず新曲にて無事2年ぶりの復帰。Portisheadのように気だるいサウンドに、昭和感のある日本式メランコリアを秘めた歌が相変わらず心地よい。
Stealing Sheep / Found You
9/19にアルバムリリースが決まったリバプールの3人組Stealing Sheep。2022年の前作『Wow Machine』から完全にエレクトロユニットになったが、最近の曲を聞く限り次のアルバムはさらにテクノ色が強まっていそうだ。一方でサイケポップだった初期から続く持ち前の美しいコーラスも健在で、個性もしっかりと維持。期待大である。
L’Eclair / Run
6/20にニューアルバムリリース。最近はダンサブルなエレクトロサウンドを展開していて、この曲もLAのエクスペリメンタルシンセポップの新人Gelli Haha(同じInnovative Leisureからアルバムリリース)を招いたエレクトロファンクでカッコいい。
The Armed / Well Made Play
最近割とポップめだったから、カオティックな激ハードコア曲が来て新鮮。現代社会が孕む矛盾や狂気への怒りを全開にしているらしいニューアルバムが8/1にリリースされるとのこと。暑苦しい夏になりそうだ。
Guerilla Toss / Psychosis Is Just a Number
前作『Famously Alive』はVoキャシー・カールソンがオピエート依存症から回復した祝福のアルバムで、それまでの毒々しいまでのカオティックサイケポップから一転してカラフルなエレクトロポップになっていた。3年ぶりのシングルでは明るさはそのままに、音楽性は『GT Ultra』のころに戻ったような感じだ。まあ闇鍋のように混沌とした作曲を行うバンドなのでこの後どうなるかは分からないが、この曲の健全なディスコパンクポップぶりを聴いていると期待感は募る一方だ。
Deliverie / Slamming The Door
不意にSpotifyのオススメで流れて気になったバンド。全く情報が出てこないので調べたところ、インスタのアカウントを発見、ノルウェーの新人ネオソウルバンド? ボトムの太いどっしりしたリズム隊に、スムースなヴォーカル、ドリーミーなシンセとギターが良い感じ。
Spotifyは全く知らないマイナーなバンドをおすすめに出してくれるのが素晴らしいんだけど、まだ自分の知識が不十分なジャンルの時は少し困る。国も知名度も時代もボーダーレスに超えていくから、体系的に音楽を捉えづらいのだ。シューゲイズならなんでも来いという感じなのだが。
Doves / Cally
「私的こんな渋いオヤジになりてえランキングTop5」に入るVoジミ・グッドウィンによるオトコの哀愁が滲み出た良曲。アルバム本編に入らなかったボーナストラック的な曲だが、もったいないでしょうこれは。昔からシングルB面曲のクオリティは高かったけど、相変わらずのソングライティング力である。
Night Tapes / Pacifico
9月に待望のフルアルバムがリリースされるNight Tapes。最近のシングルはトリップホップ的というかダウンテンポというか、チルなリズムループが主体のアンビエントポップにも近しいサウンドを展開している。この曲に至っては、ヒップホップグループSouls Of Mischiefの「93’til Infinity」をサンプリングしているらしく、最近のドリームポップにおける拡張性の新手として大変興味深く聴いている次第。
Kokoroko / Closer To Me
ロンドンのアフロジャズソウルバンド、7/11に2ndアルバムリリースとのこと。ダブ風味のたゆたうような低音ベースに静かなステップを踏むドラム、陽気なブラスの音。アフロなバイブスはしっかり息づいているが、都市生活のスムースでクールなニュアンスも同居している。この心地よさはなかなか他では得難いかもしれない。
Pami / Candydate
サビ前の「Fuck」にグッとくるストレートなポップロック。最近立て続けに曲が出てるけど、アルバムが出たりするのだろうか?
XG / Million Places
最後はXG。今まで応援してくれた世界中のファンへ感謝と愛を歌った壮大なファンサ曲で、これをワールドツアー最終日にリリースするという感動の仕掛け。「Winter Without You」に続くオーソドックスなコーラスバラードなため音楽的には特筆すべきところはそんなに無いが、いちファンとしては、ワールドツアーにコーチェラ、という当初の目標が早くも達成されて、次の壮大な夢に向かうための一区切りの曲、ということで感慨深いものがある。
それにしても、昨今の「推し」と呼ばれるブームや、その対象であるアイドル、ガールズグループ的なもの一切を否定していた私が、いつのまにか「ALPHAZ」を自認するに至るとは思ってもみなかった。小栗旬の気持ちがよくわかる。
まあ、とにもかくにも音楽マニア的にはやはりフルアルバムが聴きたい。次なる展開を心待ちにしております。