Dumbo Gets Mad – Five Eggs(2025)

新譜
新譜

 エミリア=ロマーニャ州出身のイタリア人ミュージシャン、ルカ・ベルゴミによるサイケポッププロジェクト、Dumbo Gets Madの5作目。以前はLA拠点と紹介されていたが、いつの間にかイタリアに戻ったようで、本作もイタリア語詞の曲が多く収録されている。ワタクシ事で恐縮だが最近YouTubeのレシピ動画を観ながらイタリア料理を作るのにハマって、イタリア語の動画をよく見ているので、イタリア語の曲がたくさん聴けるのは個人的に非常にうれしい。(イタリア語は日本人にとっては母音強めで聴きとりやすい気がする。イタリアン・アクセントの英語の聴きとりやすさたるや!)

 それはさておき、4年ぶりとなる本作、1曲目「Psychedelic Breakfast」のタイトルが象徴的だが、ちょうどいい効能と分量を持った、コンパクトなサイケポップアルバムとなっており、朝から軽くサイケデリアをキメるのに最適である。しかも、コンパクトな中に爽快なギターポップ「Spizza」、いきなり「ワカメ~ワカメ~」と強烈な空耳(というかほぼそのまま?)フレーズで始まるラテンフレイバーのファンキーな曲「Pariah」、MGMT的なレトロなサイケポップ「Biscaglione」、ヴォーカルにキツめのアナログディレイがかかっていて目が回りそうになる「Spacesomething」、エキゾチックな祭りサウンド「Torre Velasca」など多岐に渡る曲が収録されており、非常に賑やか。それらがドラッギーなサイケ感と身体を揺らすグルーヴ、陽気なポップさに包まれて提供されているのが実に良い。終盤に盛り上げたりせずシュッと終わっていくところが物足りない気がしないでもないが、このくらいの聴き味の軽さが本作の良さでもある。

 Dumbo Gets Madというファンキーなプロジェクト名は、察する通り映画『ダンボ』の、ダンボが間違って酒を飲んで酔っ払い、ピンクの象の幻覚を見ているシーンから来ているとのことで、これは自分にとっても初めて触れたサイケデリアの表現であった。子供の頃はあれを「不気味」と感じたが、今ではそんな表現に並々ならぬ興味関心を持っている。イタリアという国に対する興味が増してきたタイミングであることも含めて、なんかいろいろ巡り合わせが面白いなと思いながら、本作を楽しんでいる次第である。

評価:★★★☆ 7.0/10

ライブに定評のあるDumbo Gets Mad。3rd『Thank You Neil』は他の作品よりキレイでハイファイな音なのにもかかわらずライブ録音(つまり一発撮り?)だったりと、卓越したバンドの演奏力・表現力も魅力。昨年日本に来ていたのだが、行けなかったことが悔やまれる。