もはや「暑」の字でなく、「熱」の字を当てたほうが適当ではないかと思われるほど過酷に暑い毎日。そんな気候に合う音楽を求めて、最近は南国的な音楽を聴きがちである。また一方で、涼しげな音楽をも求めている。その二極化がすすむシングル拝聴メモ。
襟裳、館山、沖縄のように周りを海で囲まれている場所の方が、海風が終始吹いていて涼しいらしい。山間部の谷筋で天然サウナ状態に苛まれるのもそろそろ限界を感じているので、次の移住先は海の近くにしたいと思う今日この頃。
今年のフジロックにも出演していたタイのYonlapa、10月にリリースされるEPからのリード曲となる新曲は90’sインディロック的なギターサウンドにワクワクさせられる。リバーブの無いドライな質感はUSインディ的だが、コードワークはシューゲ風味のあるビタースウィートな響きで、なおかつ高音域を抑えたモヤっとした音色が南国のムードを醸し出す絶妙なサウンドだ。
フジロックの配信がなかったのが非常に残念だったので、10月の来日ライブを狙っている次第。
ジャズ、ソウルを基礎としてほんのりとしたサイケデリアをまぶした極上の酔い心地を醸す台湾のインディポップバンドDeca Joins久々の新曲。南国のもわっとした暖気をたたえたトロピカルさと異国情緒の妙も相変わらずで、メロウな時間を過ごすのにピッタリである。
イクラちゃんみたいな曲名だなあ、などというくだらないツッコミはさておき、フィリピンのバンドPastel Skyの新曲。いつ聴いても南国の空気と広い海が脳裏に浮かんで癒される。今のところ単発のシングルだけなので、そろそろまとまった作品が聴いてみたい。
一転して非常に涼し気なMVが心地よい、新作EPリリース間近のShe’s Green。今の段階であんまりヘビロテするとEPとして聴いた時に飽きやすくなるから自重したいのだけど、この涼やかな歌メロと意外に激しいバンドサウンドの透き通った高揚感は抗い難い魅力で、酷暑のなかにあってはひときわ心地よく響く。EPが楽しみで仕方ない。
この2人のことは最近インスタの広告で知った次第。フォークというかスロウコアに近いチルアウトなサウンドで、青葉市子のように幻想的なムードがあるうえ、男女のオクターブ・ハーモニーはシューゲ味があり(本人達が狙っているとは思えないが)、玉石混交なインスタプロモーション枠ゆえ最初は慎重に試聴を重ねていたがどうにも好みであることに疑いの余地がなくなったため、ここに紹介することと相なった次第。
日本のミュージシャン、国内フェスの出演ラインナップを試聴しても、YouTubeやSpotifyのアルゴリズムで出てくるのを聴いても、聴き飽きている歌謡曲風の歌モノや10年位前から変わっていない定型ギターロックばかりで失望することがほとんどなのだが、いっぽうでKEXPでの逆輸入的露出やインスタの広告などで知られざる素晴らしい日本人ミュージシャンを知ることができる。日本に住んでいながら自分で発見できないのは悔しいが、まあ素直にありがたいものである。
イタリアのソウルフルサイケポップ、Dumbo Gets Madの久しぶりの新曲。ワカメ〜ワカメ〜♪と聞こえる陽気なラテンVoに冒頭から度肝を抜かれるが、ラテンとディスコファンクとサイケデリック・トランスが渾然一体となったような珍妙なサウンドは無国籍なエキゾサイケ感を醸しており、良い感じで頭おかしくなれる。非常にゴキゲンです。
前作をハイパーポップになぞらえて「ハイパーパンク」を自称していた彼らだが、今作はよりそのハイパーパンク感が増しているように感じる。なんならアシッドなサイケデリック味も混入して、気持ち悪くなるくらいキマっている。毒々しいMVももはや笑うしかない。しかしこのやり過ぎ感はなかなか痛快で、Pavementのツアー前座に起用された縁か、スティーブン・マルクマスが普通にゲストヴォーカルとして合いの手入れてくるのも笑えるし、途中のイミフなアレンジなんか最高にブッ壊れていて興奮させられる。アルバムはどうなることやら。
XGと並んでコッソリ聴いていたTylaの4曲入りEP。日本じゃどうせ洋楽なんて全部マニアックなものとして見られるんで何をとりわけコッソリ聴く必要があるのだと訝しがられるかもしれないが、インディバンドばかり漁っている自分のなかでは売れ線のR&Bやヒップホップの類を大っぴらに聴いているぜと宣言するにはなんか恥ずかしいという自意識が働くのだ。とはいえメロウで切ない大ヒット曲「Water」のほんのりアフロなムードが漂う新鮮なポップソングぶりにヤラれ、妖艶なMVのムードと裏腹にトーク番組などで快活な陽キャぶりを披露しているTyla本人のキャラクターにも魅了される始末。今作は4曲ともビートが強くなって、夜中のメロウなロマンスが香り漂っていた1stアルバムから、よりエネルギッシュでパワフルな熱を感じさせるヒップホップ的なサウンドに進化していて、夏を乗り切るBGMとして最適な内容となっている。
ちなみにTylaのブレイクと共に広まった南アフリカ発祥の「アマピアノ」というジャンルであるが、アメリカやヨーロッパで進化・定着したアフリカのカルチャーがさらにアフリカにフィードバックされて、そこからアフロ要素の強い新しいサウンドが生まれて欧米に波及している、という循環的な現象が面白いなと思う。最近暑さのせいで、郷に入りては郷にしたがえ的なノリで南国のカルチャーに興味津々なので、新しいアフロ音楽がいろいろ出てくるのが楽しみで仕方ない。
一十三十一にゲームの印象が無かったので驚いたが、NINJA GAIDENというゲームのために書き下ろされた曲。寡聞にして知らないタイトルなのでどういう経緯で一十三十一が主題歌(?)を担当することになったのかよく分からないのだけど、海外で人気がある日本の80’sアニメやシティポップの感じを出したかったのだろうか。いつものトイさんよりもノスタルジックで衒いの無いシティポップがちょっと新鮮。
最後は再び動き出したTame Impala。なんとハウスですか。サンプラーのループを駆使してまで生音にこだわっていた感のあるTame Impalaの音楽が完全なるテクノに移行するのは違和感がなさ過ぎて身も蓋もない感じがしつつも、ケヴィンの甘いヴォーカルにソフトなビートが爽やかに寄り添うこの清涼感はクセになる。ハウスは音がチープであんまり好きなジャンルではないのだがこれはアリだ。リバーブが深くかかっていて、ハウスというよりAphex TwinのAmbient Worksみたいな感じもするがそれも好印象である。
今作がアルバムのリードなのか単発なのか分からないが、もしテクノに寄せたアルバムを作るのだとしたら、アンビエント、サイトランス、アシッドハウスなどテクノのサイケ系ジャンル網羅した作品になったらめちゃくちゃ面白そう、などと妄想が捗ります。
襟裳、館山、沖縄のように周りを海で囲まれている場所の方が、海風が終始吹いていて涼しいらしい。山間部の谷筋で天然サウナ状態に苛まれるのもそろそろ限界を感じているので、次の移住先は海の近くにしたいと思う今日この頃。
Yonlapa / Saltburn
今年のフジロックにも出演していたタイのYonlapa、10月にリリースされるEPからのリード曲となる新曲は90’sインディロック的なギターサウンドにワクワクさせられる。リバーブの無いドライな質感はUSインディ的だが、コードワークはシューゲ風味のあるビタースウィートな響きで、なおかつ高音域を抑えたモヤっとした音色が南国のムードを醸し出す絶妙なサウンドだ。
フジロックの配信がなかったのが非常に残念だったので、10月の来日ライブを狙っている次第。
Deca Joins / 偏見
ジャズ、ソウルを基礎としてほんのりとしたサイケデリアをまぶした極上の酔い心地を醸す台湾のインディポップバンドDeca Joins久々の新曲。南国のもわっとした暖気をたたえたトロピカルさと異国情緒の妙も相変わらずで、メロウな時間を過ごすのにピッタリである。
Pastel Sky / Haaayyy
イクラちゃんみたいな曲名だなあ、などというくだらないツッコミはさておき、フィリピンのバンドPastel Skyの新曲。いつ聴いても南国の空気と広い海が脳裏に浮かんで癒される。今のところ単発のシングルだけなので、そろそろまとまった作品が聴いてみたい。
She’s Green / Willow
一転して非常に涼し気なMVが心地よい、新作EPリリース間近のShe’s Green。今の段階であんまりヘビロテするとEPとして聴いた時に飽きやすくなるから自重したいのだけど、この涼やかな歌メロと意外に激しいバンドサウンドの透き通った高揚感は抗い難い魅力で、酷暑のなかにあってはひときわ心地よく響く。EPが楽しみで仕方ない。
Luca & There is a Fox / Utau Kujira
この2人のことは最近インスタの広告で知った次第。フォークというかスロウコアに近いチルアウトなサウンドで、青葉市子のように幻想的なムードがあるうえ、男女のオクターブ・ハーモニーはシューゲ味があり(本人達が狙っているとは思えないが)、玉石混交なインスタプロモーション枠ゆえ最初は慎重に試聴を重ねていたがどうにも好みであることに疑いの余地がなくなったため、ここに紹介することと相なった次第。
日本のミュージシャン、国内フェスの出演ラインナップを試聴しても、YouTubeやSpotifyのアルゴリズムで出てくるのを聴いても、聴き飽きている歌謡曲風の歌モノや10年位前から変わっていない定型ギターロックばかりで失望することがほとんどなのだが、いっぽうでKEXPでの逆輸入的露出やインスタの広告などで知られざる素晴らしい日本人ミュージシャンを知ることができる。日本に住んでいながら自分で発見できないのは悔しいが、まあ素直にありがたいものである。
Dumbo Gets Mad / Pariah
イタリアのソウルフルサイケポップ、Dumbo Gets Madの久しぶりの新曲。ワカメ〜ワカメ〜♪と聞こえる陽気なラテンVoに冒頭から度肝を抜かれるが、ラテンとディスコファンクとサイケデリック・トランスが渾然一体となったような珍妙なサウンドは無国籍なエキゾサイケ感を醸しており、良い感じで頭おかしくなれる。非常にゴキゲンです。
Guerilla Toss / Life’s a Zoo
前作をハイパーポップになぞらえて「ハイパーパンク」を自称していた彼らだが、今作はよりそのハイパーパンク感が増しているように感じる。なんならアシッドなサイケデリック味も混入して、気持ち悪くなるくらいキマっている。毒々しいMVももはや笑うしかない。しかしこのやり過ぎ感はなかなか痛快で、Pavementのツアー前座に起用された縁か、スティーブン・マルクマスが普通にゲストヴォーカルとして合いの手入れてくるのも笑えるし、途中のイミフなアレンジなんか最高にブッ壊れていて興奮させられる。アルバムはどうなることやら。
Tyla / WWP
XGと並んでコッソリ聴いていたTylaの4曲入りEP。日本じゃどうせ洋楽なんて全部マニアックなものとして見られるんで何をとりわけコッソリ聴く必要があるのだと訝しがられるかもしれないが、インディバンドばかり漁っている自分のなかでは売れ線のR&Bやヒップホップの類を大っぴらに聴いているぜと宣言するにはなんか恥ずかしいという自意識が働くのだ。とはいえメロウで切ない大ヒット曲「Water」のほんのりアフロなムードが漂う新鮮なポップソングぶりにヤラれ、妖艶なMVのムードと裏腹にトーク番組などで快活な陽キャぶりを披露しているTyla本人のキャラクターにも魅了される始末。今作は4曲ともビートが強くなって、夜中のメロウなロマンスが香り漂っていた1stアルバムから、よりエネルギッシュでパワフルな熱を感じさせるヒップホップ的なサウンドに進化していて、夏を乗り切るBGMとして最適な内容となっている。
ちなみにTylaのブレイクと共に広まった南アフリカ発祥の「アマピアノ」というジャンルであるが、アメリカやヨーロッパで進化・定着したアフリカのカルチャーがさらにアフリカにフィードバックされて、そこからアフロ要素の強い新しいサウンドが生まれて欧米に波及している、という循環的な現象が面白いなと思う。最近暑さのせいで、郷に入りては郷にしたがえ的なノリで南国のカルチャーに興味津々なので、新しいアフロ音楽がいろいろ出てくるのが楽しみで仕方ない。
一十三十一 / Kaze No Chronicle
一十三十一にゲームの印象が無かったので驚いたが、NINJA GAIDENというゲームのために書き下ろされた曲。寡聞にして知らないタイトルなのでどういう経緯で一十三十一が主題歌(?)を担当することになったのかよく分からないのだけど、海外で人気がある日本の80’sアニメやシティポップの感じを出したかったのだろうか。いつものトイさんよりもノスタルジックで衒いの無いシティポップがちょっと新鮮。
Tame Impala / End Of Summer
最後は再び動き出したTame Impala。なんとハウスですか。サンプラーのループを駆使してまで生音にこだわっていた感のあるTame Impalaの音楽が完全なるテクノに移行するのは違和感がなさ過ぎて身も蓋もない感じがしつつも、ケヴィンの甘いヴォーカルにソフトなビートが爽やかに寄り添うこの清涼感はクセになる。ハウスは音がチープであんまり好きなジャンルではないのだがこれはアリだ。リバーブが深くかかっていて、ハウスというよりAphex TwinのAmbient Worksみたいな感じもするがそれも好印象である。
今作がアルバムのリードなのか単発なのか分からないが、もしテクノに寄せたアルバムを作るのだとしたら、アンビエント、サイトランス、アシッドハウスなどテクノのサイケ系ジャンル網羅した作品になったらめちゃくちゃ面白そう、などと妄想が捗ります。