
Gilgameshと同じく、Genevieve Artadiをキッカケにしてフュージョン系のバンドを漁っていた時に見つけてハマったバンド、GilgameshのAlan Gowenが関わっているもう一つのバンドNational Healthの1stアルバム。National Healthはカンタベリー・シーンのHatfield and the NorthとGilgameshが合体してできたバンドで、ロック色強めなHatfield and the Northと、幻想的なムードが強いGilgameshが混ざり合ってている、両者の良さを融合させた素晴らしい内容である。
アルバム1曲目「Tenemos Roads」からいきなり14分越えの大曲で、序盤は幻想的かつ牧歌的、そして朝の目覚めのようなキーボードで始まるが、これはどこか昔のファンタジーゲームのBGMのような懐かしい感じがするサウンド(当時のゲームミュージックの作曲家は色々な音楽を聴いているので、その引き出しにカンタベリーがあったかもしれない)。内容的にはいくつかのパートが合体してできているプログレッシブな楽曲だが、序盤の主題となるパート、途中のギターとベースがブイブイいうジャズロックなパート、そして中盤からは妖精のような女性Voが入る幻想的なパート、そして最後は主題に戻りつつ女性Voも合流してフィナーレを迎えるという、非常によく構築された内容になっている。
2曲目「Brujo」も同じように、キーボードが導く牧歌的なパート、女性ヴォーカルのAmanda Parsonsがいざなう幻想的なパート、ギターとベースとドラムが火花を散らす高速ジャズロックなパートが1曲のなかにうまい具合構成されていて、非常に濃密な楽曲。
5曲入りで50分近くある、1曲1曲がかなり長めなアルバムにもかかわらず、曲調がパートごとにコロコロ変わるため、あれ? 5曲しかないの? と意外に感じる。そして、ダレずに一気に聴き終わる。ノリがいいパートも多いので、外で聴いてもテンション上がるし、作業しながら聴くのにも最適。プログレのような重々しさも無く気軽に聴ける一方で、幻想と熱狂のコントラストはスリリングで、聴き応え抜群。中毒性の高い素晴らしい作品である。