She’s Green – Chrysalis(2025)

新譜
新譜

 以前から注目していたミネアポリスの5人組シューゲイズバンドの素晴らしい5曲入りデビューEP。最近の女性Voのドリームポップ/シューゲイズに一様に見られるBeach Houseからの影響も垣間見えつつも、She’s Greenはシンセよりもギターに重きを置く、近年稀になったツインギターによる伝統的なシューゲイズサウンドで、ギターだけで空間系や分厚い轟音の壁も構築しているところがギターサウンドフェチとしてはまず嬉しい点。アートワークのような幻想的な煌めきから始まり、後半は風に乗って大空を飛ぶような爽快なサウンドへと移行する「Grazy」や、静かなヴァースから壮大で破壊的なサウンドとともに天に昇っていく「Fugurines」など、繊細さと大胆なドラマティックさの二面を持ち合わせる高揚感に満ちあふれた音世界はまさにスペクタクルで、どちらかというとベッドルームポップやインディポップに寄りがちな昨今のシューゲトレンドにおいて異彩を放っている。加えてメロディセンスも抜群で、一緒に口ずさみたくなる開放感のあるコーラスが印象的な「Willow」の堂々としたキャッチーさなども大物の風格である。

 一方で、これらの既発シングル曲のクオリティが高過ぎるというか、1〜3曲目がクライマックスの連続のような展開になっており、正直フルアルバムの中に入っていても全然耐え得る壮大さを兼ね備えた曲に感じるので、EPにこのクオリティの曲を吐き出してしまうのは勿体ないと思ったりもする。まあそれは身勝手なリスナーの要望というもので、内容の濃いEPであることは間違いないし、そもそも本作のタイトルは『Chrysalis(さなぎ)』である。まだまだ変わっていくことを予感させたものであろうか。
 She’s Greenの今後の展開が楽しみで仕方がない。

評価:★★★★ 8/10